1 はじめに
日本漫画が世界中に大人気で、漫画の翻訳もますます盛んになり、中国語訳だけでなく、数十カ国の言語に翻訳された。日本の漫画文化は各国の読者に深い影響を与えている。中国においても、日本漫画の読者もますます多くなっている。日本漫画が好きだということは中国人学生が日本語を勉強する主な原因の一つにもなっている。しかし、日本漫画は中国語に翻訳・出版され、いろいろな相違点が生じてきた。特に、翻訳の面において、読み進め方とか、擬音語・擬態語の翻訳とか、セリフの翻訳とか、いろいろな相違点が挙げられる。その他、日本では、老若男女を問わず、広く、多くの人々が日本漫画を読むが、一方中国では、「漫画は子供向けのものなんだ。大人は漫画を読まない」というような考え方が主流である。子供の頃、中国語訳本『クレヨンしんちゃん』などの漫画を読んで、残った印象は、漫画の面白さだけだった。大学に入って日本語版の漫画を読む機会を得た。日本語版の『クレヨンしんちゃん』に接する中で、一番不思議なのは、日本語原版の『クレヨンしんちゃん』には性に関するセリフとシーンが多いのに対して、中国語訳本の『クレヨンしんちゃん-成人懐旧絵本』には、性に関するシーンがほとんど省略され、セリフも曖昧な言葉に訳されているということである。そこで、本稿は日本語原版漫画と中国語訳本の比較を通じて、翻訳に現れる言葉遣いの違いと製版方法の違いなどを考察することにした。まずは日本漫画と中国漫画の定義などの違いから、中日漫画の異同を考察する。次にアンケート調査をもって、漫画に対しての印象とか、日本漫画の中国における受容状況などを明らかにしたい。
2 先行研究及び本稿の視点
2.1 先行研究
辛(2001)の研究において、台北市内の小学校、中学及び高校を合わせて6校の学生300名を対象として、調査を行った。日本漫画に対する好感度についての質問から、「ストーリーが面白い」「登場人物が生き生きとしている」「発想が良い」「絵が上手」「題材が多い」という意見が出てきた。日本漫画に対する違和感についての質問では、「誇張したところが多い」「暴力的なところが多い」「エロチックなところが多い」という意見が出た。
大塚(2015)の研究において、漫画の読む方向の変化や日本語語彙の普及、漫画的表現の共有などドイツ人漫画読者の受容において、変化が生まれた。
川又(2009)の研究において、Berndt(1990)では、日本の漫画が西洋人に馴染みにくい理由(モノクロ、縦書き)を指摘している。阿尾(2005)では、フランスのbande dessinéeは主に絵画に近い芸術として受け止められ、子供には限定されない青少年を含んだ成人向けという意見が提出されている。
山中(2001)の研究においては、日本で行われている研究の中で、韓国における日本大衆文化の受け入れを歴史的に考察したものは少ないことが指摘されている。この論文では、三つの時代に区分され、非合法流入時代-民主化宣言以前(1945-1978)、日本の評価との接合-民主化以後(1978年-)、漫画を見る新しい視点と従来の視点の共存-日本大衆文化開放前夜である。日本漫画は、「暴力的で煽情的な、低俗なものだ」という非難を浴びることも多かった。
日本漫画在华的翻译与接受《夏目友人帐》《樱桃小丸子》《蜡笔小新》为例(2):http://www.youerw.com/riyu/lunwen_143830.html