5。3女性意識に目覚めた後苦境に陥る－－理想と現実の矛盾 11

6おわりに 13

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参 考 文 献 15 

1はじめに

東野圭吾は現代日本を代表する超有名なＳＦ作家であるが、中国では知名度が川端康成あるいは大江健三郎のように高くない。ですから、東野圭吾について簡単に紹介しよう。

東野圭吾はもともと専業作家ではないが、大阪府立大学工学部電気工学科を卒業してから、日本電装株式会社に技術者として入社する。1985年に『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタートさせる。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞（小説部門）を受賞するなど着実に評価を高めてゆく一方で、作家版の長者番付でも上位に顔を出すようになるなど、人気作家の仲間入りを果たした。作品『幻夜』は2004年に第131回直木三十五賞にノミネートされたが、受賞を逸した。また、ドラマ化になった。2010年11月21日より2011年1月16日まで、WOWOWの連続ドラマW枠で放送された。论文网

2016年2月までに、東野は出版された作品は85部に及んだ。東野圭吾という名前はほとんど推理小説の代名詞になってきた。『白夜行』をはじめて、世界各国にも売れ行きがよいと言われる。

でも、東野自身、長編『宿命』が刊行（1990年初版）されたとき、次のように語っている。

「初期作品のような、殺人事件があってトリックがあって、犯人はこの人、という意外性だけの作品では、物足りなくなってきました。これならいくつ書いても同じだと思うんですね。まだ、試行錯誤の階段ですが、ミステリーではないと言われてもいいから、そういう作品は避けてとおりたいと思っています」 

東野圭吾の作品に潜むのは単なる娯楽性のみではない。文学は時代を映す鏡である。東野自身が言いきる「ミステリーではない」領域に一連の「悪女」を描いている。たとえば、『白夜行』に子供時代の不幸な境遇なので、世界に対する希望を失うようになる西本雪穂のこと、『幻夜』の中で、すべてを利用して冷たいきわまる新海美冬のことなど。これらの毒蛇のような女性は人をぞっとさせる。では、本論文は『幻夜』を研究対象にして東野圭吾の「悪女」形象を述べよう。

2先行研究

推理小説が通俗文学に属するため、中国国内の学術界で重視されない。我が国は20世紀80年代から、推理小説を研究対象にする論文や学術書物が現れてきたが、研究は松本清張などの世界級の作家を中心にしていてほかのＳＦ小説作家はまれに言及していた。文献综述

2007年に中国は正式に東野圭吾の作品を出版し始めた。2008年に東野の代表的な作品『容疑者Xの献身』と『白夜行』を出版した。2009年に至って、東野圭吾はやっと中国読者の注目をあびたが今まで国内では東野圭吾についての研究論文や著作はまだ豊かでないと言える。

2010年、牛麗の『從<白夜行>看東野圭吾偵探小說中的人性』という論文は国内ではじめて東野圭吾を研究対象にする論文である。この論文は東野圭吾を日本の推理小説の発展過程において簡単に紹介している。 『白夜行』のあらすじと人物、作品から表現された日本の社会問題と人間性の問題を分析しているが、主人公の「悪女」イメージには言及していない。