問題意識は大学生にとって不可欠なものである。問題意識のなかには批判的思考が重要な役割を担っている。楠見(2012)は「批判的思考(critical thinking)とは、論理的、客観的で偏りのない思考であり、自分の推論過程を意識的に吟味する反省的思考である」と述べている。そして、楠見は「こうした批判的思考は、大学生として学問を学ぶために、さらに、社会に出て市民として生活するために必要なスキルや態度として位置づけることができる」と書いてある。問題意識の不足は深刻な問題である。
現代社会は高速成長している。そして、交通の便利さは世界をグローバル化に変化された。現代社会はすでにものを創出する社会である。ものを作ることより重要なのは、ものを創出す能力である。小野間(2016)は現代社会において、批判的思考力、問題解決力はどのぐらい大切なのかについて、このように論述している。「現代社会は、高齢化、グローバル化、情報の氾濫と情報過多などの現代的な課題が増えている。とりわけ、21世紀は。情報社会であるといわれ、知識の創出が求められる時代でもある。このことは、工業社会で重視されてきた「ものづくり」をより良い「ものづくり」を創出基盤であるとの考えから「知識基盤社会」と押さえ、情報想像力、批判的思考力、問題解決力、意思決定力」ということである。
上述したように、今現在においては、問題を発見する力、問題を解決する力と自分なりの思考力は非常に大切である。この状況のもとで、大学生の問題意識の不足と思考力の不足はかなり大きな問題である。
1。3仮説の提出
先行研究を踏まえて、本論文では、以下の二点の問題をめぐり、それらを改善する方法を提案する。
1. なぜ中国留学生が卒論テーマを決めるとき時間を大量にかかるのだろうか?
2. なぜ中国大学生が問題意識と思考力が足りないのだろうか?
1。4本論文の構成
そこで、本論文では、次のような構成を考える。まずは、九州外国語学院の中国留学生を調査対象とし、調査1のアンケート調査を通して、中国留学生の問題意識の強さについて調査を行う。次に、アンケート調査に協力していた留学生の中から、調査2に協力できる留学生一名を抽出し、インタービューを実施する。2つの調査から、中国留学生の問題意識の不足を造成した原因を探り出す。最後に、問題意識を強化する方法を簡単に提案する。文献综述
2.研究方法
2。1調査1
本論文では、日本の福岡市にある九州外国語学院の中国人の在学者を調査対象とし、インターネットを利用したアンケート調査を行った。
調査項目としては、最初に協力者の属性(年齢、性別、来日年数)を訪ねた。高沢(2017)の問題意識のチェック度アンケート調査票を参考にし、協力者の問題意識度についても調査した。さらに、問題意識の不足する原因を探るために、今までの勉強経験(授業の形、試験の問題設置など)、ゼミの参加経験の有無などの外部的なことに関する質問も設置した。例をあげると、「今まで、一番多いのはどのような授業でしたか」という問いに対して、「A。講義B。演習C。実験D。ゼミナールE。フィールドワーク」という選択肢を並べ、協力者にその中の1つを選んでもらう。試験の問題については、「今までの試験で、一番多い質問のパータンは以下のどれですか」という問題を提出し、「A。選択式問題B。論述式問題C。判断式問題D。その他」という答えを設置した。ゼミの参加経験の有無は「今までゼミナールに参加したことがありますか」という質問を設置し、「A。ありますB。ありません」という選択肢を羅列した。