これらの語彙は、例えば、スポーツ大会で、常に使われる「完勝」や、娯楽番組でよく使われる「達人秀」や、「萌え」、「お宅」、「可愛い」のような若者らに流行する語彙などがある。これらの「日源新語」について、多くの言語学者、特に中日言語比較研究の専門家はすでに関心を寄せ、多くの論文が発表している。張黎(2003)の「中国の新語における日本からの借用語について—メディアの使用状況を中心に」、譙燕(2011)の「新聞における日本語由来新語の使用状況に関する調査研究」などが挙げられる。しかし、これまでに「日源新語」を目指す系統的な研究がまだ少ない。

「新語」の年代分けや「日源新語」に対する一般的な理解について、学者らの意見は異なっている。ある学者、例えば王力(1980)、呂叔湘(1956)は、新中国成立後の言葉はすべて「新語」と考えているが、徐一平、施建軍、譙燕は、近代以来日本から中国に伝わってきた「政治」、「哲学」、「電話」などのような言葉を「日源新語」と考えている。つまり、これらの論争の中で最も重要なのは新語の年代分けである。本論文で扱う「新語」は、70年代末から80年代初頭、改革開放後に出現した新しい語彙を指す。また、本論文では以下の特徴のある語を「日源新語」にする。

一、このような言葉は初めて日本語に現れるものである。论文网

二、古代漢語にはすでに出現したが、日本語では新しい意味が生まれたもの。しかしこれらの新しい意味は古代中国語に関係していない。

本論文では日源新語の“职场”を対象に、その意味用法と使用状況を考察し、また、日本語の「職場」と比較し、両者における共通点と相違点を分析するほか、中国語の“职场”が日本語からの借用の可能性を論じたい。

2。先行研究

中国語と日本語には「職場」という言葉がある状況から、語源の面を考え、可能性が二つである。一つは、その語はもともと中国語の固有的なものであるが、いつか日本語に借用されていった。もう一つは、その語はもともと日本語の固有的なものであるが、いつか中国語に導入された。今まで入手した資料とダータから見れば、後者の可能性が大きい。

まず、中国の辞書の『辞海』(上海辞書出版社、1979年版)と、『語源』(商務印書館、1979年版)と、『漢語大辞典』(漢語大辞典出版社、1997年版)の中には、「職場」と関係する記載はない。『現代漢語辞典』(外語教育と研究出版社、2002年版)と、『現代漢語辞典』(商務印書館2002年増補版)の中に、「職場」という言葉はまだ現れていない。また、沈国威の考察した近代日本語から中国語に伝わった新しい漢語の中、「職場」という言葉の姿がない。つまり現代中国語では「職場」という言葉の歴史は長くないと考えられる。文献综述

最初に“职场”を収録したのは『当代漢語新語辞典』(漢語大辞典出版社、2003年版)である。その中に、“职场”と関連する記録は次の通りである。

【职场】zhíchǎng 作業をする場所(2003年:548)

その後、『漢語大辞典』(上海辞書出版社、2003年版)、『当代漢語新語辞典』(中国大百科全書出版社、2004年版)は「職場」と関係する記載が相次ぐ出ていた。この「職場」という言葉は最近十数年間で徐々に興っ始めて普及していると説明している。しかし、日本語辞典を調べると、日本語の「職場」と中国のと比べ、最初の使用時間はもっとはやいとわかる。『日本国語大辞典 第10巻』(1974)では次のように書いてある。

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