はじめに「おくりびと」という言葉を耳にしたのは2010年に中国のあるテレビ番組で日本の映画『おくりびと』が上映された時である。『おくりびと』を見て、本当に感動させられた。2011年3月11日には日本で大地震が発生し、世界の人々を驚かさせた。数多くの家庭は身内のものを失った。ボランティアとしての女性納棺師である笹原留似子は地震で深刻な被害をこうむった遺体を修復し、死に顔の思い出を通じて作画していた。彼女の絵の中にはみな穏やかな笑顔がある。これはさらに「おくりびと」という職業の偉大さを深く感じさせる。 では、「おくりびと」とはどういう職業であろうか、『おくりびと』という映画はどういうことを表しているのであろうか、さらにこの映画を通して日本人の死生観および日本の社会文化ついてごく浅薄ながら検討してみようと思われるのである。
第一章 「おくりびと」について
1.1「おくりびと」とは
世界各地の文化の中では、長い歴史のある葬祭伝統と死者に対する特殊処理儀式がある。これらの伝統儀式の中ではできるだけ死体を完全に保存することが重要視されている。古代のエジプト人は死体をミイラにし、そのやり方の一部は現代人にも引き続けられている。日本ではこのようなやり方で死体を処理する人を「おくりびと」と言う。
「おくりびと」とは日本語で納棺師、葬儀師などの別称もあり、死者を死なない状態に還元させるために、できるだけ死者の顔つきや体を整備して復元させる職業である。これは人々に尊敬される職業で、初めは日本で現れ、そして大いに歓迎されて、その後中国にも引き込まれたのである。 おくりびとは冷えた体に生命力を輝き直させ、,永遠の美しさを与えている。おくりびとには冷静に正直で、優しい感情がある。その仕事はちょっと複雑で、おおくの細部に気をつける必要がある。まず殺菌石鹸で死体を洗い、そして顔面を整理し、爪を切り、ひげをそり、最後にふさわしい服を着させる。おくりびとは時々毒のある化学清潔剤に接触し、死体を処理する間は病気になる可能性がある。死体処理の場合には法律の保証が要求され、、おくりびとは死者の家族と良好な交流を保持する必要がある。
「おくりびと」という従業者には社交マナーにおいていくつかの不文律が守られている。たとえば、親友の結婚披露宴に参加しない、自分の職業をみずから披露しない、名刺を渡さない、他人と握手をしない、相手に「こんにちは」、「さようなら」、「いっていらっしゃい」などを話さないなど。
1.2『おくりびと』という映画
1.2.1『おくりびと』という映画のあらすじ
日本の文学作品や映画作品のテーマはよく生存の危機感、死亡と暴力の崇拝、血の嗜み、強い民族ナルシスト心理を表す。独特な日本の地理と歴史であるからこそ奇妙な民族性格を育てる。2008年、日本で「おくりびと」という映画が上映された。この映画は以前の叙事主題を変え、億万もの観客がそのきめ細やかなヒューマニズムに感動させられた。この映画は日本の作家である青木新門の小説「門納棺夫日記」によって脚色し、滝田洋二郎監督、本木雅弘、山崎努さん、広末涼子、吉行和子や笹野高史などが出演した。主にプロのチェロ奏者としての小林がおくりびとになっている過程と身分が違う人の死亡をめぐって、人々の死生が尊敬されるべきものだということを表現している。それは第81回アカデミー賞の外国語映画賞、および第32回日本アカデミー賞の最優秀作品賞などを得た。
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