文法の点に着目したら、両語ともに強調が働いているが、中国語のほうがより複雑である。
品詞によれば、日本語における形容詞からなる畳語は主に情態副詞で、また名詞、形容詞もあり、中国語の場合は副詞、形容詞である。漢日両語は類似点があるが、日本語における形容詞からなる畳語の形容詞性が派生からできたものはその特徴である。
また、文法の機能の場合、漢日両語ともに連用修飾語、連体修飾語、述語になることができる。しかし、日本語における形容詞からできた畳語は連体修飾語になる場合、常に「の」をつけ、述語になる場合は、「だ」あるいは「する」をつけて存在している。中国語のほうは、常に「的」を連れている。
更に、音節の面から見れば、日本語の場合は2拍語幹の形容詞に限らない。例えば「こころつよい、酸い」などは畳語になれない。中国語の場合は、一音節、二音節形容詞の畳語が多い。
程(1996)は中国語における形容詞からなる畳語を「AA」、「AABB」、「ABB」三種類に分けている。その中で、「AA」、「AABB」二種類は程度を深くすること、即ち、孫(2006)と同様、強調の意を表すということを述べている。更に、「ABB」型の畳語は物事に命を与え、生き生きとして質的な感情を表せるということを指摘している。日本語の場合は、孫(2006)の意見とほぼ同じであるが、その畳語のあとは普通「と」を連れて用いられることを述べている。源^自·优尔|文\论]文'网[www.youerw.com
羅(2011)は「汉日语叠词对比」において、程(1996)の論説のもとで、中国語の場合「AAB」型の畳語を提出している。また、品詞変化、意の方面も研究し、中国語の形容詞からなる畳語は情景を形象化し、語感を深める働きを持ち、風景を生き生きとさせるということをまとめている。
薛(2015)は「对日语叠词型形容词构成特点的分析」の中で、形容詞からなる畳語を語幹が名詞、形容詞、形容動詞、動詞、独立で用いれない要素からなる語彙、接頭語からなる語彙の六種類に分類している。
本稿は、先行研究を踏まえ、構成、意並びに文法の機能の比較から、漢日両語の形容詞からなる畳語の類似点と相違点を明らかにすることにより、漢日畳語の特徴の解明を目的とする。
第二章 構成から見た漢日形容詞型畳語
2.1中国語における形容詞型畳語の構成
筆者は、孫(2006)の分類をもとに、中国語における畳語を字数で次の三類に分ける。
第一類は二字型の形容詞型畳語、即ち「AA」型の畳語である。「AA」型の畳語は単音節の形容詞を重複からなる畳語であると認め、普通助詞「的」をつけたままで使われる。
冉冉 大大 高高 矮矮 深深 静静 长长 瘦瘦
第二類は三字型の形容詞型畳語である。その類は[AAB]型畳語と[ABB]型畳語が含められている。その中で、[AAB]型畳語は常に話し言葉と方言で使われ、正式の場所ではほとんど使わない。
[AAB]型:
冰冰凉 喷喷香
[ABB]型:
绿油油 黄澄澄 红彤彤 懒洋洋 热腾腾 白花花 阴森森
第三類は、四字型の形容詞型畳語である。その中には[AABB]、[ABCC]と[A里AB]型畳語がある。[A里AB]型畳語は語幹と比べマイナスのコンテクストによくある。例えば、「啰里啰嗦」は「啰嗦」と比べ、より一層根気なく、いやな気持ちを生き生きとして表せる。