周知のように、第二次世界大戦後、日本の経済は高度に成長し、世界中の地 位もかなり高まった。この変化も日本人の家庭生活に大きな影響を与えた。過 去に比べて、日本人の家庭観念は薄いだけれど、これも現代の日本人の婚姻観 を影響させている。現在の日本経済の不景気及び日本人の伝統観念の崩壊で、 実際の社会から見ても本と映画の内容から見ても、日本人の結婚率が次第に下 がっていく。いったい、日本人はどのような婚姻観を持っているのか。なぜそ の婚姻観を持っているのか。それを探求するために、このテーマを卒論として 分析したい。

『結婚しない』は主人公たちの婚姻観を表しているだけでなく、今一部の日 本人の婚姻観の特徴を含む。このドラマから、私たちは普通の日本人の婚姻観 が分かれ、そして彼らの婚姻観も理解できる。これも日本全社会の婚姻観を了 解するに役に立つと思う。

先行研究として日本人の婚姻観についての研究もたくさんある。例えば、日 本の社会学者山田昌弘の著書『結婚の社会学：未婚化・晩婚化は続くのか』は 恋愛の変化や男女の結婚意識の差別などの方面から、現在日本の結婚難を分析 する。材木和雄は『結婚難の深化と婚活支援の必要性』の中で、結婚難の現状 と原因について詳細に検討し、これまでの日本社会の結婚は一定の社会システ ムのおかげで、完成できたと認め、もはや結婚難は個々人の問題のみと見るの はいけないと述べている。他には、小倉千加子の『結婚の条件』、中国の『日 本人の婚姻観の変化』、『現代日本人の婚姻観』などの多くの文献がある。

日本人の婚姻や婚姻観についての研究がいろいろありますが、あるドラマを めぐって論じたものはあまり多くないようである。本論はこれらの資料を参考 にしてドラマ『結婚しない』を中心として、その中の主人公たちの婚姻観とそ の婚姻観の形成した原因をまとめたいと思う。

２ ドラマ『結婚しない』について

２．１ 背景

『結婚しない』は、２０１２年１０月１１日～１２月２０日までフジテレ ビ系列で放送されたテレビドラマである。

２０１０年５月、閣議決定された｢子供子育て白書｣によると、日本では男女 とも生涯未婚率が過去最高になった。大雑把に言うと、５０歳までに一度も結 婚していない生涯未婚率が男性で２０．１％と、つまり男性の五人に一人が５ ０歳までに、一度も結婚していないと言うことになった。３０年前と比べると 約８倍に増えている。女性の未婚率が１０．６％と、これも次第に上昇してい る。１９８０年代後半と比べると二倍近くになっている。バブル時代では女性 はクリスマスケーキにたとえられ、２４歳までに結婚しないと値崩れするなん ていわれたものだ。今となっては２０代前半で結婚する。このように急増して いる未婚の人々の中でいずれ結婚しようと思っている未婚者の割合は女性で ８９．４％、男性で８６．３％にも及ぶ。つまり、現在結婚していない人のそ の大多数は結婚したいと思っていると言うことである。その一方で一生結婚す るつもりがないと言う人の割合も緩やかで増加している。また、経済状況の悪 化から、将来に希望を持てない人が多くなった。それにともなって近年急速に 増えているのが、結婚など無理だとあきらめている人たちである。自分の人生 すらままならないのに他人の人生まで背負うなんてできない。そういった消極 的な理由から、彼らは結婚に対して後ろ向きになっているのだ。生涯未婚率の 上昇は、出生率を下げる要因ともされ、日本の将来を左右する大きな問題でも ある。今はまさに結婚難といわゆる時代である。文献综述