2。2。 文章の指示詞の機能からみた中日指示詞の対照研究の現状

马丽杰(2008)は、「中日指示詞の比較研究-テキストにおける文脈指示の機能を中心に-」でテキストにおける文脈指示の方面から日本語の「これ/それ」とそれに対応する中国語の「这(个)/那(个)」の相違を研究した。文の位置、先行表現との距離、先行表現の指示範疇、文脈指示の機能の四つの方面からテキストにおける文脈指示に「これ/それ」と「这(个)/那(个)」の具体的な用法をまとめた。「これ/それ」は文脈指示の機能で、「这/那」と「这个/那个」より強いと考えており、「これ/それ(あれ)」は「関係概念」と「範疇概念」からなっているのに対して、中国語の「这/那」が持っている「範疇概念」は漠然と捉えること、及び日本語の曖昧さがその原因だ3と述べている。

胡俊(2010)は、「文脈指示における日本語と中国語の指示詞についての対照研究-論説文の場合-」で文脈指示用法の前後の照応を中心に中日指示詞の対照を研究した。胡は、文脈の照応を前方照応(前に出てきたものを指すもの)と後方照応(後に出てくるものを指すこと)に分け、前方照応と後方照応の中日指示詞の使い分けを明らかにした。そしてゼロ対応の場合を研究し、小説と論説文における指示詞の文脈指示詞用法の使い分け原理の相違点も述べている。

史隽(2008)は、「文脈における日中指示詞の対照研究」で文脈において指示詞における、日本 

語の「この」「その」「あの」と中国語の“这+量詞”“那+量詞”の対照を行い、以下の結論を出した。①「日本語では名詞は定性を持っているかどうか、持っている定性の高低により指示詞が必須の場合と必須でない場合とに分けられる。定性の低い抽象名詞は指示詞で定性を高め、個体のものを指し示すが、定性の高い普通名詞はこれ以上『定性』をつける必要がなく、指示詞をつけてもつけなくても自然である。その一方で、文脈指示の『その』は『限定機能』以外に前文の内容を後文に持ち込む『持ち込み機能』が働いている」。②「中国語では名詞は持っている定性が低いため、前文で表された個体意味の名詞と同じ範疇を表すときに、基本的に指示詞をつけて定性を保証する必要がある。一方、文脈指示では指示詞は主に『限定機能』が中心で『持ち込み機能』を持っていない。先行文脈から特定される文脈が多い場合、指示詞だけでは後文に持ち込めないため、その文脈を全部第2文で繰り返すことになる」。4

要するに、以上の先行研究のように、中日両国の指示詞は文法、使い方、文脈指示などの方面に多くの共通点を持っているが、各自の特色を持っている。しかし、以前の研究は両国の指示詞の文法、語彙、使い方、指示の機能など全体的な方面から研究を行ったものである。そして、文学作品の指示詞に注目することが少なく、文学作品の指示詞の翻訳に関する研究もない。したがって、本論文では具体的な文学作品の指示詞に注目し、文学作品の指示詞の翻訳についての研究を行った。本論文の研究によって、両国の指示詞の対照に新しい研究方向を開きたい。

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