3.女性描写に現われている「物の哀れ」 6
3。1 花のような女性 6
3。2 哀れは美と通じている 7
3。3 鮮やかな女性像 8
4.死生観に現われている「物の哀れ」 9
4。1 死にまさる芸術はない 9
4。2 日本人の死生観 10
4。3 川端康成の死 10
5.おわりに 12
参考文献 13
1.はじめに
日本の伝統美意識――「物の哀れ」は重要な文学的・美的理念の一つである。総じて言えば、「物の哀れ」とは、真情の発露であり、客観を示す「もの」と、主観を示す「あわれ」との合わせるところに生じる、自然に調和のとれた繊細綺麗な情趣の世界を理念化したものである。特に、『源氏物語』の中に現れた「物の哀れ」の精神は最高の達成で、今までも日本文学に影響を与える。勿論、「物の哀れ」は『源氏物語』の特徴として、日本伝統美美意識の一つでありながら、川端のに深く根ざしている。少年時代から『源氏物語』を読み始めた川端康成は、人性の美を追求し、「物の哀れ」の虚無主義に深く影響され、悲劇であることを永遠の美と考えた。川端は「物の哀れ」の日本の伝統的な美意識とあわせて、『雪国』、『伊豆の踊り子』、『古都』、『千羽鶴』などの優秀な文学作品を作り上げた。しかも、「物の哀れ」は川端によって発展され、意味を豊かにさせたと言える。1968年、川端は『雪国』、『古都』と『千羽鶴』3つの作品で、日本人として初のノーベル文学賞受賞者となった。当時、「日本人の心の精髄を、すぐれた感受性をもって表現、世界の人々に深い感銘を与えたため」 をノーベル文学賞受賞理由として大衆に公布した。川端は間違いない近現代日本文学の頂点に立つ作家の一人と言える。论文网
川端文学の研究について、『雪国』が中で最も注目されている。さらに、何度も映像化されている。1935年から各雑誌に断続的に断章が書きつがれ、約13年の時間をかかって最終的な完成に至った『雪国』は、海外でも評価は高く作品である。
私は好奇心を持ちながら、『雪国』を何回も読んだ。雪国を訪れた男が、温泉町でひたむきに生きる女たちの諸相、ゆらめき、定めない命の各瞬間の純粋さを見つめる物語 という。『雪国』に関する研究論文もたくさん拝読した。その過程で、異なる考えがあることに気づいた。本論文は異なる視点から改めて、『雪国』を例にして、川端文学における「物の哀れ」を分析してみる。
1。1 先行研究
日本の近現代文学の研究にすこぶるうるさい孟慶枢は、『川端康成の研究』で「川端康成の各時期の作品を研究して、『雪国』が多い作品の中で最も川端康成の芸術業績を代表できる小説の1つだと感じられる。それも川端康成の文学創作個性が定型されたことを示している。」と書いた。また、次のように言った。『伊豆の踊子』には、川端は日本の伝統的な美しさを現すことに努めた。『雪国』には、伝統的な美しさを一層探求した。更に気品を重視して、「心」の表現を求めた。つまり、川端が求めているのは精神上の「余韻の美」である。