要旨敬語は日本の伝統的な美しい言葉であり、古代から現代に至る日本社会の言語生活において、一貫して重要な役割を担っており、なくてはならない存在である。敬語について、特にその種類や構造、誤用などについての研究が行われているけれども、敬語を単語としてだけ考えてきたように思う。それに対して、近年、「敬語コミュニケーション」という新しい概念が提案された。敬語コミュニケーションは従来の「敬語」に関する研究とやや異なり、つまり、「いらっしゃる」や「申し上げる」という敬語だけにとらわれるのではなく、敬語を使う際に、敬語の原理や構造を知ることで、状況に合わせて気持ちを込めて言うことができるというのである。75131
本稿では、先行研究を踏まえて、日本人大学生と留学生を対象としたアンケート調査を通じて、日本語学習者の敬語コミュニケーションにおける問題点について研究してみたいと思っている。さらに、これらの調査を通じて、敬語コミュニケーションを体系的に理解し、日本語学習者に適する敬語コミュニケーションの力を付ける方法をみつけることも、本稿の目的としたい。
キーワード:敬語コミュニケーション;問題点;分類;人間関係;曖昧表現
目次
1. はじめに 1
2.先行研究 1
2。1 敬語コミュニケーションとは 1
2。2 敬語の分類 2
2。2。1 敬語の3分類から5分類へ 2
2。2。2 「敬語の性質」による敬語の11分類 2
3. 敬語意識と敬語使用現状 4
3。1 大学生の敬語意識・敬語使用に関する調査 4
3。2 日本語学習者の敬語コミュニケーションにおける問題点 16
4。 適切な敬語コミュニケーションを習得 17
4。1 基礎知識を習得する 17
4。2 人間関係を把握する 17
4。3 曖昧のストラテジー 18
5。 おわり 19
6.参考文献 19
1.はじめに
敬語は日本の伝統的な美しい言葉であり、古代から現代に至る日本社会の言語生活において、一貫して重要な役割を担っており、なくてはならない存在である。つまり、敬語は社会生活の中で、円滑な人間関係を築く働きを持つので、敬語を使いこなす必要があるといえるのである。
日本では、敬語について、特にその種類や構造、誤用などについての研究が行われているけれども、敬語を単語としてだけ考えてきたように思う。それに対して、近年、「敬語コミュニケーション」という新しい概念が提案された。敬語コミュニケーションは従来の「敬語」に関する研究とやや異なり、つまり、「いらっしゃる」や「申し上げる」という敬語だけにとらわれるのではなく、敬語を使う際に、敬語の原理や構造を知ることで、状況に合わせて気持ちを込めて言うことができるというのである。