2 表札について
2.1 表札の歴史
日本で表札を掲げる習慣ができたのは、百年以上の歴史がある。表札の上で欠かさないものは、「苗字」である。「苗字」は中国から日本に輸入してきた「あざな」の一種とされている。明治時代以前、幕府の政策によって、苗字を持つ階級は、武士、公家出身の者以外では、誰でも自由に苗字を名乗ることができなかった。これをもって、「江戸時代の庶民には名字が無かった」という話がある。庶民の苗字は一般的には恩賞として主人から賜ったものだった。
表札の起源とも言える「扁額」はかなり長い歴史がある。扁額は中国から由来で、その機能は入口で名前を掲示することである。天長10年(833)、養老令の注釈書「令義解(りょうのぎげ)」でその記述が残っている。江戸時代で、扁額は「屋号」へ進化した。農家では「地形」や「地名」、商家では「出身地」などを屋号に使うようになった。屋号の特徴は、おもな個人の判別と存在感を表すことである。
屋号は表札の始まりと言われている、表札の定着時期は大正時代である。
明治5年に戸籍制度による各家に表札を玄関に掲示する事が決定した。一般庶民のドアで表札を掲げできたのは、大正12年の関東大地震が起こった以降と言われている。郵便配達の発展にしたがって、住民たちは自宅の玄関で自分の苗字を刻んだ木版を掲げ始めた。ほか通説もある。人々は、震災で行方不明になった家族や親族を探したり、自分の安否を知らせたりするために、進んで表札を揚げるようになった。その後、震災での住宅の建て直しをきっかけに人々は自分の家で表札を掲げた、表札の文化も全国に広がり、今に踏襲されていた。
経済の発展と社会の進歩にしたがって、表札は現代意味を持つ事になる。
日本人は自国の郵便をきわめて重視する。表札の発展と日本の郵便事業は密接に関連している。郵便事業の展開につれて、日本は正確な全国の地図を作り始めた、表札の効き目が著しくになってきた。建物まで正確な地図を作ることを目指し、28万人の調査員を派遣し、表札を一軒一軒に確認し、ついに正確度が99.6%に達する地図がつくれた。
2.2 表札の基本
表札は、お守りの意味があり、一家の象徴である。「玄関は幸運の入口」と言われ、表札は運気を取り込むための大切なものである。表札のない家は主人の不在を意味し、家運が下がると言われている。だから、表札を掲げるときはいろいろな問題点に気を配る必要がある。文献综述
2.2.1 種類
表札はいろいろな種類がある。一番代表的なのは本表札、家族表札と門表札。
家の正面に直接かける表札は「本表札」と呼ばれている。基本的には一家の主人の苗字と名前を表示する。日本家庭の家主は普通の場合は男性である。安全のために、家主は女性の場合は、苗字だけ書かれる。
家族全員の姓名を入れるのは「家族表札」と呼ばれている。このタイプは家の側面やドアの横など、「本表札」より下に掲げる。家主だけでなく、家族全員の運気がアップ、家族和合の意味を表現できる。
「門表札」はドアにかける、門札とも呼ばれている。一般的にはこの家族の苗字だけを表示する。
2.2.2 素材
表札を作るとき、一般的には天然素材を使う。運気を呼ぶ込むために、一番適する素材は天然木である。たとえば、ヒノキ、楢(ナラ)、欅(ケヤキ)、栂(ツガ)など。天然木は森でエネルギーを吸収して、自然と調和することで幸運をもたらすという意味合いがある。だから、「木製」は一番良いとされている。