実は日本では森について研究している人がたくさんいる。梅原猛氏、有岡利幸氏やC.W.ニコル氏がこの分野にとても有名である。梅原猛氏が「森林思想―日本文化の原点」⑴という本に、宗教的な面において日本の精神根源が森の調和から生まれてきたことを分析し、人間が自然と调和が取れた付き合っている歴史の根源を示しながら、人間に対して高度な責任感を持って、现代人に森に戻るという提唱をした。有岡利幸氏は里山文化の忠実なファンで、彼が里山の回復には日本政府の努力を肯定して国土緑化運動の成果を承認した。C.W.ニコル氏は、2002年に自ら荒れた森を購入し、生態系の復活を試みる作業を20年間行い、財団法人C・W・ニコル・アファンの森財団を設立した。森林保護事業に夢中しているので日本人に知られている。最近森林ジャーナリストとしての田中淳夫氏が森林保全の領域に活躍している。彼が日本唯一にして日本一の森林ジャーナリストとして、自然の象徴としての「森林」から人間社会を眺めたら新たな視点を得られるのではないか、という思いで執筆活動を展開している。彼らたちの共通したところは森に関心を払い、現代人を森文化に戻って、自然と共生を強調する。筆者が森に戻ると同時に、森についての宣伝と紹介も欠かせないだと思う。彼らの研究成果を踏まえて、温暖かつ湿潤な気候の下で形成された日本の森林とその森林によって支えられてきた形成された日本の文化を巡って、縄文文化、里山文化、山岳信仰という三つの文化と森の関係について、ちょっと分析してみた。本論文を通して、日本文化と森の関係及び日本文化の柱であるその三つの文化に森がどのような役割を果たしていることがはっきり知ることができる。
2、日本の森
2.1日本の森の構成
日本は年間降水量が多くて、国土面積の約67%を森林が占める森林大国で、この森林率は、世界の先進国の中で群を抜く。その成立過程によって、人工林と天然林に分けられる。日本の森林全部は約2500万ヘクタールで、そのうち約1000万ヘクタールは人工林、約4割を占めている。
人工林というのは、人が手を入れて作り上げた森林のことである。日本の人工林は大低比較的成長が早く、建築資材などに利用できる針葉樹林である。ほとんどはスギ、ヒノキ、唐松、赤松、黒松、蝦夷松,トドマツなどである。
特にヒノキは日本特産種で福島から屋久島に分布し、昔ヒノキの皮(檜皮)は、屋根をふくのに用いられた。材は淡黄色、緻密で芳香があり、建築、家具、船舶,彫刻などに重用されて、広く植林される。トドマツ北海道以北に自生し、材はパルプ用材、建築、器具、製紙などに用いられる。また、クリスマスツリーともする。蝦夷松は北海道などの寒い地方に多く産し、材はパルプ、建築材としバイオリンの胴などに用いられる。
これらの人工林の多くは、第二次大戦以降に植えられており、今まで何十年を経て、収穫期に当たる。
天然林とは、植林によらず、自然の力で生まれ育った森林のことである。日本の天然林は全部森林の約5割を占めて、約1300ヘクタールである。ほとんどは広葉樹林で、日常的な利用の対象である里山や神社の森から、めったに人が立ち入れないような奥山まで幅広く分布している。
残り1割が無立生地と竹林となっている。人の手が全て入っていない、自然のままの「原生林」は、厳密には日本には存在しないと言われる。
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