「雪晴れ」(ゆきばれ)――雪がやんで、空が晴れ渡る様子。
「雪月夜」(ゆきづきよ)――雪に映える、月夜の様子。
「雪煙」(ゆきけむり)――雪が風に吹かれ、舞い上がって煙のように見える事。
「雪しずり」(ゆきしずり)――雪が木の枝などから、崩れ落ちる事。
「雪化粧」(ゆきげしょう)――積もった雪のため、景色が白く美しく変わる事。
「蛍雪」(けいせつ)――中国の故事からきた言葉で、夏は蛍の放つ光を、冬は窓からの雪明かりを頼りに学問した様子を唱っている。
「雪待月」(ゆきまちづき)――陰暦の11月の事。
「雪見障子」(ゆきみしょうじ)――下の部分が上げ下げできて、外の景色を見る事が出来る障子。
ひとつひとつの雪の名前をみているだけで、その情景が浮かんで来る。
雪は降り方を表す言葉も多彩で、絶え間なく降る様子は「こんこん」、ひるがえりながら降る様子は「ちらちら」、軽やかに降る様子は「はらはら」、空中に漂う様子は「ふわりと」「ふわっと」などと表現し、木の枝や屋根から落ちる雪は「どさっ」。
「豪雪」では風情などといってはいられないかも知れないが、雪は冬の使者。雪の降る様子に美しい名前や言葉を与えた日本人の感性を、私たちも大切にしただろう。