要旨「女生徒」という「意識の流れ」風の短編小説は、有明淑という太宰の愛読者の日記を元に書かれたものである。そのため、多くの学者は「女生徒」と「有明淑の日記」との比較に注目し、様々な研究を行った。一方で、比較より「女生徒」そのものに関心がある学者も多く見られる。しかし、筆者が調べた研究に限っては、全体としてこの「女生徒」がどのような特徴を持っているのかについての研究はほとんど見られなかった。そのため、本稿では、太宰が描き出したい「理想の少女」の特徴、すなわち、太宰が認める「少女の生き方」をまとめてみることとする。52300
キーワード:太宰治;女生徒;特徴;理想の少女像
少女的生活方式--------试读太宰治《女生徒》
摘 要意识流短篇小说《女生徒》是一部根据太宰治的读者“有明淑”的日记改编而成的作品。因此,很多学者对《女生徒》和《有明淑的日记》这两部作品进行了比较研究。而另一方面,也有不少学者更关注《女生徒》这部作品本身。然而目前为止,关于整体上而言这位女学生有着怎样的特征的研究较为罕见。因此本文决定整理总结出太宰治想描绘出的“理想的少女像”,也就是太宰治所认可的“少女的生活方式”。
毕业论文关键词:太宰治;女生徒;特征;理想的少女像
1.はじめに 1
2.先行研究 2
3.物事への好き嫌い 4
3.1女性嫌悪 4
3.2モノ扱いの差別 5
3.3感覚的の繊細 6
4.家族への愛情 8
4.1父親 8
4.2母親 9
5.個性と批判 11
5.1中心はずれの子 11
5.2批判の精神 12
6.おわりに 14
7.注 釈··· 15
8.参考文献··· 15
9.謝 辞16
1. はじめに
太宰治の「女生徒」は、昭和14年4月『文学界』に発表され、北村透谷文学賞の副賞に選ばれた作品である。太宰の女性独白体の代表作として、「女生徒」は発表された当時から評価が高く、各紙から注目され、賞賛が絶えなかった。川端康成も以下のように「女生徒」を論評した。
この女生徒は可憐で、甚だ魅力がある。少しは高貴でもあるだろう。女の精神的なものについて、大凡失望することの多い私は、この『女生徒』ほどの心の娘も現実にはなかなか見つからないのを知るのである。これは太宰氏の青春の虚構であり、女性への憧憬である。(注1)
しかし、実際に「女生徒」は太宰によるオリジナルな虚構小説などではなく、有明淑という太宰の愛読者で、洋裁研究所に通う十九歳の文学少女の日記を元に書かれたものである。太宰は「有明淑の日記」の組み合わせや言葉の添削において工夫を凝らし、三ヶ月分の日記を一日分にまとめて「女生徒」を書き上げたことが公開されて以来、それについて諸説紛紛であった。
多くの学者は「女生徒」と「有明淑の日記」との比較に注目し、様々な研究を行った。その一方で、比較より「女生徒」そのものに関心がある学者も多く見られる。主人公の「私」はどのような特徴を持っているのか、その特徴が形成された理由は何であろうか。それに、太宰と主人公はどのような結びつきがあるのか、などについての研究が行われ、様々な主張や論述が発表されてきた。