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    1.1先行研究

    日本の「新語・流行語大賞」の中での受賞語はどのように作られたのか。どのような特徴を持っているのか。社会へどのような影響を与えたのか。それらを明らかにするために、筆者は様々な資料を調べてみたところ、日中両国の言語学者は新語と流行語についてすでにある程度の検討を行っていたということがわかった。

    米川明彦は『新語と流行語』において、流行語をさまざまな観点から研究した。 米川明彦によると、新語・流行語の作り方は主に二つに分けられる。一つは既存語と全く関係なく新しい語を作ることであり、もう一つは既存語を利用して新しい語を作ることである。また、米川明彦は『若者語を科学する』、『現代若者ことば考』などにおいて、若者語の発生背景、種類、特徴などを中心に検討した。米川は具体的な例を挙げ、新語と流行語の使用方法を説明している。

    辻村敏樹の名作『ことばのいろいろ』では新語と流行語の作り方を切り捨て言葉、切り捨て継ぎ言葉、抱き合わせ言葉、借り物言葉、着せ替え言葉、代がわり言葉の六つに分けて分析した。

    実践女子大学の湯浅茂雄教授は国語学の視点から、流行語について研究した。湯浅茂雄の『生まれることば、死ぬことば』では流行語を同じ言葉を核にして作られる流行語、「ル」言葉「スル」言葉「イ」言葉、過去の流行語を基にして作られる流行語の三つに分けた。

    中国でも、新語・流行語についての研究は多くなりつつある。例えば、燕山大学の康媛は『从构词看日语新语·流行语的分类 ——以“新语·流行语大奖”为中心』において、造語法の視点から「新語・流行語大賞」の132語の受賞語を研究対象とし、造語と生まれる背景から、新語・流行語の分類を試みた。

    また、趙琳の「关于现代日语最新流行语的考察」では、最近の新語と流行語の造語法に基づき、新語・流行語の変化の規則について考察した。

    しかし、これらの研究においては、主に形態論の視点から新語と流行語を分類するものか、発生理由や作り方などに考察が集中している。新語・流行語はどのような特質を持っているのか。社会へどのような影響を与えるのか。どのような方向へ発展するのかなどには、ほとんど言及していないようである。

    東北師範大学の王岳の「平成以来のマスコミにおける流行語から見た日本社会」という論文では、女性に関する流行語、若者に関する流行語、心の癒しに関する流行語、政治に関する流行語の四つに分けて考察し、意論から流行語の社会的価値を探し、平成以来の日本社会の変遷と日本人の心の動きを論じた。しかし、それはまだ不十分だと考える。新語・流行語の傾向と社会への影響などにはあまり触れていないからである。

    そこで、筆者は新語・流行語を課題として研究し、その特質、傾向などを明らかにしようと考える。また、21世紀の日本社会の発展や変化などをより深く理解することに役立てたいと考える。

     1.2新語・流行語とは

    『国語学大辞典』では、流行語について「その時代に適応して、きわめて感化的意が強く、爆発的な民衆の使用語。多くは徐々に死語になるか、あるいは一般語彙に定着する。はやりごいとも」と定義している。

    『日本語教育事典』によると、新語は次にように定義されている。「その社会に新しい事物や概念が生じたとき、それを言い表すために新しい語、また、従来の事物や概念に対して、新しく言い表す必要が生じた場合に生まれる語。」

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