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従って、本論では日本人女性の社会の地位および結婚観の変遷の原因とその影響などのいくつかの方面から分析して女性結婚観の変遷を探りたい。具体的に現代の日本人女性の自己意識の向上や日本法律制度などの面から現代日本人女性の結婚観の変化の原因を研究する。
第一章 日本人女性の結婚観
昔から日本の女性に対して世間は良妻賢母のイメージをもっていた。伝统的な日本の婚姻観は、年頃の女は結婚すべきで、また結婚後は、男性は外の仕事を、女性はうちのことをやるのが家庭モデルである。過去日本人女性は婚姻を幸せの居場所、一生の職業、また自分の経済力および地位を高める手段として考えていた。しかし、戦後、日本人女性の結婚相手を選べる価値観、婚姻観は多様化し、大きく変わってきた。
1.1明治以後日本人女性の結婚観
明治維新は日本の歴史の中で一つの転換点となっている。日本は武士階級の支配を終え、分権的な近世封建国家から近代的君主に変貌した天皇の統率する中央集権国家に変わった。それに従って、この時代の日本人は結婚観が大いに変化した。
明治時代(19世紀末以降)に入ると、階層を問わず、見合いによる結婚が広がった。見合いは、結婚の意思をもっている男女が、仲人 を仲介として結婚前に顔を合わせることである。しかし見合い結婚は、財や家柄を含めた『家』の維持存続を第一とする考えが前提となっており、本質的には、親族などの周囲の者が取り決める結婚であった。配偶者選択の条件は、何よりも家柄や家格の釣り合いが優先され、結婚当事者の愛情や相性は二の次となっていた。
明治半ば過ぎまで離婚率がとても高く、政府は明治31年結婚法、離婚法を含む「民法」を制定し、庶民は裁判離婚を利用できるようになった。また、女性から離婚の願いが出されるようになった。また、明治時期から結婚、離婚についての全国統計がとられるようになった。他方、明治初期に一挙に西洋化した風潮を嫌って、国粋を求める反動の波が強まった時代でもあった。この時期、人々の結婚観は自由と生活手段としての結婚観だと思う。維新直後の大混乱の中で、さまざまな桎梏から解き放たれた人々はかなり自由に結婚しようと自制を求める声も強まっていたが、生活が堅苦しくて、結婚観は近代的な特徴がまだない。結婚は大部分にとってただ生活を維持する手段の一つであった。
明治後期（1897年- 1912年）に小説『金色夜叉』、『ほととぎす』 が相次いであらわれ、全国数十万の男女に衝撃を与えて、高い評価を受けた。これは、両作品に夫婦の心情が揺り動かされるようになったからである。
1.2戦後日本人女性の結婚観
第2次世界大戦後、民法が改正され、新しい家族制度へと移行すると、結婚の方式も大きく変化した。日本の結婚が見合い結婚中心から恋愛結婚中心へと変わったのは、1960年代後半からである。それに伴って、青年男女のデ―トも広まった。恋愛結婚は、婚前の交際が不可欠な条件である。伝統的な日本文化では「男女七歳にして席を同じうせず」という儒教の影響を受け、若い男女が結婚を前提としないで親しく交際することは、好ましいことではないと考えられ、青年男女は社会的に隔離されていた。そのため、男女のつきあい方のルールやマナーが成熟しているとは言い難い面もある。その一方で、見合い結婚も続いているが、家と家の結びつきという側面が弱まり、男女が知り合うための一つの契機という側面が強まっている。また、かつての仲人に代わって、結婚相談所という新しい仲介も生まれている。