1。2研究内容と意義
大震災は村上が書く物語に大きい影響を与えた。そして、『神の子どもたちはみな踊る』の主要内容は村上が創作したこの六編小説の中で、小村、順子と三宅は不幸であり、善也は闇に迷っており、そして、カエル君は東京を救い、最後に、淳平は小夜子に結婚を申し込むことを決めたということである。こうして、幸せなおとぎ話で物語が終わり、世界は平和になった。主人公はすべて大震災の発生地から遠く離れた場所に生きる普通の人であるが、大震災は彼らの生活の転換点になったと指摘されている。これを通じて、地震はすべての日本人にとって、大きい影響があると暗示している。そして、村上は各主人公の物語を通じて、地震に対する積極性を強調し、この小説を通じて、勇敢に地震に向き合い、空虚で、暗い世界から出て積極的に生活するようにと呼びかけている。文献综述
本論文では、先行研究で具体的ではない作品と地震との関係の角度から、作中の主人公と地震との関係、及び地震に関する物事やセンテンスについて詳しく研究してみたい。本論文は1、村上春樹と地震 2、主題と地震 3、主人公と地震 4、物事と地震 という4部分から、地震に関する『神の子供たちはみな踊る』はどんな主題であるか、そして、地震を暗示しているセンテンスはいかに語られているか、並びに、地震を暗示している物事、例えば、熊、カエル、箱、アイスボックスなどはどんな意味を持っているのかという問題を詳しく考察する。
筆者は『神の子供たちはみな踊る』の内容と地震との関係を明らかにするために、これらの問題を研究していきたいと思っている。これによって、この作品についての研究が促進できると思われる。
2. 村上春樹と地震
2。1生活化の地震描写
『神の子供たちはみな踊る』の6篇小説の主要内容はすべて普通の主人公の普通の生活を描写していることである。主人公達は皆便利で、貧乏ではない都市で生活しており、新聞、テレビ等メディアから地震の情報をえる。大震災の情報は神戸を揺り動かした上、主人公達を大きく震撼させた。彼らはむりやりに自分の内面の空虚に直面させられた。
地震は日本人にとって、生活化になる。地震は交通事故や宝くじに当たることと同じように、生活の中の普通の事件であり、大規模な災難ではない。このような意識になる原因は日本における地震の常態化だけでなく、人類が地震対抗する能力が強化し、自分の力で損失を出来るだけ下げられるようになるということである。誰でも大地震を経験し、生存者になる。そして、震災が起きて以降、生活はどのようになり、どのように事件に向き合うかは生活の中の一部分である。来*自-优=尔,论:文+网www.youerw.com
つまり、生活化の地震描写は直接地震の怖さ、人間の脆さと生命の無常を書くのではなく、地震は個人の生活にどのような影響を与え、どのように心を震撼させたのかを検討することである。生活化の意識を通じて、阪神大震災を『神の子供たちはみな踊る』の各短編に入れ、直接記述していないが、大震災はもはや生活の一部分になることを表している。
2。2村上春樹と地震
村上は子供のときから、少年時代まではずっと阪神に住んでいた。地震が起きた時、村上はアメリカにいっており、サリン事件が起きた時、彼は日本に帰る途中であった。元来、村上の作品は世界性を持っており、そして、彼は日本社会の単一性と媒体の独断性を嫌っていたために、村上の昔の小説は日本の小説市場をほとんど考えていなかった。しかし、阪神大震災がが起きて以降、彼は国内の事件に目を向け、故郷から創作し始める。阪神大震災が起きて3ヵ月後、東京でテロ事件も起きた。大震災が都市を壊滅させたこと、及び宗教団体が残酷に殺戮したこと、この二つの事件は日本社会の後退を代表し、村上に大きい影響を与え、世界を再認識させた。『神の子供ちはみな踊る』が発表される前に、神戸震災を小説の素材とした作者は多いが、『神の子供たちはみな踊る』が文壇に登場すると、村上は新しい震災文学の創始者と言えるほど、『神の子供たちはみな踊る』が震災文学で非常に重要な地位を示されるようになる。一番大きな考えが変わるところは彼の社会意識が現れた。そして、できるだけ多くの観点を読者に伝達するために、彼は三人称視点を採用した。