2。3日本における配慮表現の研究
山岡・牧原・小野(2010)における配慮表現の定義は、「対人的コミュニケーションにおいて、相手との対人関係をなるべく良好に保つことに配慮して用いられる言語表現」である。
山岡政紀(2010)によると、現代日本語研究において、「配慮表現」という用語はまだ定着していないが、これに当たる言語現象の存在が指摘されるようになったのは、いわゆるポライトネス理論が日本に紹介されて以降のことであった。配慮表現という用語が現れる前に、ポライトネス理論が多く検討された。ポライトネス(politeness)という概念が紹介された初期に「丁寧さ」と翻訳されることが多かったようである。