ジェンダー論から見る『三四郎』要旨日本ではフェミニズムの台頭により、男性作家によるが文学作品の女性像の研究がはじまった。夏目漱石の『三四郎』という作品では、漱石が三四郎一人の視点を使い、話が展開していくため、女性の視点が考えられていないとして、フェミニストに猛烈に批判された。そこで、作品内の人物像を分析することにした。「言語」の面で作品の人物が使用している言葉を分析し、「文」の面で作品内部に隠された女性の声を掘り出す。これにより、夏目漱石の女性観や男女観念が明らかになる。47780
キーワード:ジェンダー 女性嫌悪 女性創作 言文一致 三四郎
从性别理论看《三四郎》摘要
随着女权运动的兴起,女性女权主义学者开始研究男性在文学作品中塑造的女性形象。在那些研究当中,夏目漱石的《三四郎》的作品中,漱石站在三四郎这一个人的立场,由于忽视了女性的声音,遭到了女权主义文学激烈的批判。但是,从作品的人物特征开始分析,然后从“言语”的方面各自分析男女人物使用的语言,可以从“文”里挖掘出作品内部隐藏的女生的声音。然后,夏目漱石的女性观和男女观念也变得清晰。
关键词:性别 女性嫌恶 女性创作 言文一致 三四郎
目次
1、はじめに 1
2、『三四郎』における女性像 2
2.1新しい女――美禰子 2
2.2女性嫌悪の原因について 3
3、男性言葉と女性言葉 5
3.1「謎」のような美禰子の行動と言葉 5
3.2三四郎が追求する「言文一致」 6
4、女性創作 9
4.1男性による「女性創作」の発見 9
4.2女性による「女性創作」の発見 9
5、夏目漱石の女性観 11
6、おわりに 12
参考文献 13
1、はじめに
ジェンダー論とフェミニズム批評は、1980年代後期以降の日本文学研究の領域で広く受容され、研究上の一つの視点として確立した。女性読者やフェミニストが、既存の男性作家のテクストを批判的に読み直し、男性が文学作品の中に造った女性像を研究し始めた。その中で、夏目漱石の作品はジェンダー分析の対象として注目された。特に『三四郎』という作品である。
熊本の第五高等学校を卒業して東京帝国大学文科大学に入学するため上京する三四郎には、学問、恋、故郷という三つの世界ができたが、真っ白なキャンバスのような三四郎はそれぞれからさまざまなものを吸収する。特に、互いに淡い恋心を抱く美禰子の「無意識な偽善」に翻弄され続け、やがては手痛い失恋をわう。三四郎は名古屋で同衾してしまった「女」と同じように、女性は意もなく誘うものだと思った。三四郎はようやく理解できない「謎」が女にはあることと喪失という青春の意とを知るようになる。そのような意において、『三四郎』は教養小説とも青春小説とも言うことができる。
しかし、この小説においては、心理描写、内面描写というものが三四郎の場合を除いてほとんど出てこない。特に美禰子の場合は全く出てこない。漱石が三四郎一人の視座を使い、女性の声を拒否したため、フェミニストに猛烈に批判されているのである。