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     劉笑明(2006)はこのような動詞の連用形に接続する形式を複合語と称し、モダリティの形式として扱っている。「づらい」、「がたい」、「かねる」を中心に三者の意・用法と話し手の情意及びその生成過程を分析した結果、「づらい」形式には精神的苦痛と身体的苦痛との2種あり、その困難さは話し手自ら感じられることであり、消極的な言い方であるのに対し、「がたい」形式では心理的困難や抵抗を表し、述語には「言う」、「信じる」、「理解する」といった言葉がよく現れるが、「かねる」形式では、行為の対象は具体的なことまたはものであり、その行為の遂行が不可能で心理的困難を表すとしている。
     楊(2010)は「にくい」、「づらい」、「がたい」三者の異同と中訳法を述べた。三者の共通点は3点ある。まず、三者は接尾語として、ある動作を実現する困難性を表す。それから、三者は「ます形」動詞と繋がっている。最後に、三者が困難を表す時に、第一人称と共起しなければならない。相違点は三者のニュアンスの違いである。「にくい」はただ困難性を表すだけで、話し手の気持ちが分からない。中国語で訳せば、「不好、不容易」という意である。「づらい」は話し手の精神的困難を表し、「~をするのが苦しい」という意であり、中国語に訳せば、「做~很痛苦」、「不好意思~」がよく現れる。「がたい」は心理的抵抗を表し、中国語に訳せば、「无法~」になりやすい。
     また、張(2012)は楊(2010)とほぼ同じ結果を出したが、「にくい」を中訳する時、新しい主張を表明した。それは動詞の反義語で訳す方法である。例えば、「このような変わりにくい基本的な人間関係の在り方を考察する。」という言い回しについて、一般的に訳せば,「考察这种不易变化的人际关系的基本方式」となるが、張瑩(2012)は、「考察这种高度稳定的人际关系的基本方式」というふうに反対語を使って訳した。
     王(2005)は15名の日本人にアンケートをし、困難の程度及び使用の頻度から「かねる」、「づらい」、「にくい」の異同を分析した。「かねる」の困難の程度は「にくい」、「づらい」より高く、強い抵抗情緒を表す。それはとてもできないという気持ちである。一般的に、「かねる」が使われる場合は強い拒否の態度を表すと思われる。また、「にくい」は「づらい」より使用頻度が高い。それは「にくい」が意志動詞にも、非意志動詞にも接続できるからである。
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