ところで、この二三年間に結婚しない女性の姿が注目されるゆえ、独身女性の生活をテーマにする人気ドラマや映画が多く現れている。例えば、ドラマの『独身貴族』、『結婚しない』、映画の『結婚しない女』などである。これらの作品によく現在の未婚・晩婚女性の恋愛模様や結婚に対する思いなどの生活実態を反映している。その実態を投影代表的な女性の実生活から、彼女たちの結婚離れの原因を考察するのは探究に値すると考える。というわけで、独身女性の結婚離れを研究するには当然独身調査の資料の参考も重要であるが、これらの独身女性の生活模様を描く、実生活を投影するラブストーリーから未婚・晩婚原因を探すのも説服力があるのでしょう。
したがって、本論では最新の統計データとアンケート調査を利用して、ドラマ『結婚しない』を通じて、日本における女性の未婚・晩婚化の要因を一考察する。日本の独身女性、特に30代、40代の結婚しない理由を注目したい。
1.2 先行研究のまとめ
日本の未婚・晩婚化が話題になったのはずっと以前からである。その故に、非婚化・晩婚化の要因につての研究がしばしば挙げられていた。以下はその要因についての先駆者たちの研究に対する要約である。
日本における晩婚・未婚化の現状については、社会経済的要因、結婚規範、そして結婚市場という視点から多くの研究の蓄積がある。社会経済的要因として女性の高学歴化と社会進出がある。高学歴化は日本の若者のキャリアアップ及び経済力の上昇に貢献する一方、若い女性の同棲や初婚といったパートナーシップ形成を減少させたと津谷( 2011: 38) はいう。結婚は女性の生きるための手段である必要性でなくなったと大橋(1993:33) はいう。この背景には規範の変化がある。阿藤(2011:12) は、日本が 70 年代以降、ジェンダー観が専業主婦型から共働き型(男女共同参画型)の方向に移り変わってきたことを指摘する。山田(2007:113) はパラサイト・シングル(親同居未婚者)と結婚の問題について考察し、パラサイト・シングルが増えているということが結婚を抑制させる一因となっていると主張した。若者の雇用の二極化が進み、フリーターや派遣労働者などが増え、若者の収入が不安定になり、親と同居すれば豊かな生活ができるという背景がある。こうして結婚は必ずするものという皆婚規範も、「結婚適齢期」規範も薄れ(黒須 1999:26) 、若者の結婚が遅れるのであるなどの原因が挙げられた。
1.3ドラマ『結婚しない』の梗概源'自:优尔`~论`文'网www.youerw.com
国政調査によると、30代から40代前半の女性の未婚率が過去最高である。10年前と比べると、30代前半女性の未婚率は6.7%、30代後半になると8.5%も上がっている。彼女たちの結婚離れの原因は何だろうか。ドラマ『結婚しない』はそのような30代、40代の結婚しない女たちの等身大友情や恋愛模様をリアルに描くラブストーリーである。
ドラマでは主に三つの代表人物を描写をした。主要な登場人物はいつか結婚したいと思っているのになかなか「結婚できない女」の田中千春(34歳)と、仕事を選んだ結果「結婚しない」ことを選択したと思っている女の桐島春子(44歳)である。そして、そんな二人と関わっていくことになる「結婚をする余裕がない男」の工藤純平(32歳)である。彼らそれぞれの生き方や仕事、友情、恋愛模様を描く痛快ラブストーリーの中で、恋愛模様や結婚に対する思いを分析し、彼女たちの結婚離れの理由を考察する。