小森に戻ってきた主人公・いち子は、田畑をたがやし、野山で採る旬の自然食材で料理を作り、大体に自給自足の生活をしている。自然のありがたみを知って、心から大自然に感謝する。
本論では、作者五十嵐大介の創作背景を紹介する。この映画のあらすじを読み取る。季節感のある洗練された日本料理の特徴を指摘し、「食」と「農」の本質的な繋がりを検討する。そして、四季折々の日本料理から見る日本人の食文化を探究する。
2 五十嵐大介の生涯
2.1 作者の紹介
五十嵐大介は高いデッサン力と繊細な描写で、カリスマ的な人気漫画家である。彼は1969年4月2日に生まれた。出身地は埼玉県熊谷市である。只今、岩手県盛岡市在住の47歳である。
中学生の頃、五十嵐大介自身が押井守の映像作品の強い影響を受けた後、セリフのないサイレント漫画を描いていた。押井守のほかにいろいろな作品から大きな影響を与えた。たとえば小学生の時に見た『ドラえもん』や宮崎駿による作品『となりのトトロ』『風の谷のナウシカ』、杉浦日向子の『百日紅』、つげ義春による漫画『石を売る』などの優秀な作品の精華を吸収している。
多摩美術大学美術学部油絵科を卒業した後、本格的に漫画を描き始め、アフタヌーン四季大賞を受賞し、漫画家としてデビューした。1993年に漫画雑誌『月刊アフタヌーン』で『はなしっぱなし』で連載を開始する。2004年に『魔女』により第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した。2009年に『海獣の子供』で第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受けて、しかも第38回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。
五十嵐大介はたくさんのシュールレアリズム作品や自然を主題とした幻想的・神秘的な的作品を書いたが、『リトル・フォレスト』のように料理と生活に密着した作品も上手である。彼が漫画を描くなら想定している読者は常に女性。多い作品で主人公が女性である。
2.2 創作の背景
五十嵐大介の漫画創作は個人的な農耕体験が大きな関係を持っている。彼が1999年ぐらいから4年盛岡にいて、そのあと3年間岩手県衣川の農村(現:奥州市)に飼い猫と一緒にと移り住んでいて、田舎の自然の中で暮らした。
彼は漫画家としてデビューしたところが、挫折感を味わっていたことがある。だから、にぎやかな都会の喧騒とストレスから離れて、自然豊かで静かな田舎で移り住んだ。興味を持ていることをやってみる。衣川村では、彼が農業に従事し、静かに暮らした。山間の美しさに陶酔し、新鮮な空気を吸って、気分がよくなった。
彼は自分の畑で米や野菜を育て、パンを焼きながら自給自足を目指して生活をしていた。彼がその生活を漫画にする。昼間のうちに農作業をして、夜に自身の実体験をもとに漫画を描く。そして『リトル・フォレスト』という形になっていった。自然に囲まれた山間の小さな集落で畑仕事をすることによって暮らす一人の女性の姿が描かれている。
3 映画『リトル・フォレスト』のあらすじ
高校生の時、突然母親が蒸発した過去を持つ主人公・いち子は、卒業後に都会に出たあと、自分の居場所を見つけられず、生まれ故郷である東北の山間部にある小さな集落・小森に戻り、一人で自然の恵みにふれ、感謝しながら自給自足に近い暮らしをしている。论文网