キーワード:宮崎駿 反戦思想 動画 『風立ちぬ』
目次
摘要 i
要旨 ii
1.はじめに 1
2.宮崎駿とその反戦思想 2
2.1 宮崎駿の生いとその作品 2
2.2 反戦思想 3
2.2.1原因の推測 3
2.2.2反戦の主張 4
3.反戦の作品について 7
3.1 最新作の『風立ちぬ』 7
3.1.1 概要 7
3.1.2 反戦思想の現われ 8
3.2 反応と評価 9
4.反戦への思い 12
4.1 鈴木敏夫らが見た宮崎駿の反戦思想 12
4.2筆者の考え 13
5.おわりに 15
参考文献 16
1.はじめに
世界的名声を誇る日本アニメの巨匠・宮崎駿監督が2013年9月6日、東京で記者会見を開き、『風立ちぬ』をもって長編アニメの制作から正式に引退を表明した 。宮崎駿監督は記者会見で、「加齢はどうしようもない。もう長編は無理だと判断した」と語った。宮崎駿監督の最後の作品となった長編作品『風立ちぬ』はゼロ戦闘機の設計者・堀越二郎をモデルとし、反戦をテーマにした作品である。この作品について、宮崎駿監督は、戦争中に日本人がどんな圧迫を受けたか、当時の国家がどんなに混乱していたかを感じてほしいと述べている。この作品が上映したあと、映画評にもよると、『風立ちぬ』は反戦を描いたものだという。
日本のアニメといえば、宮崎駿の作品が連想される。宮崎駿の作品は環境保護(『風の谷のナウシカ』1984)、女性主義(『もののけ姫』1997)、非人間主義(『となりのトトロ』1988)、「万物に霊気がある」という神道思想 (『崖の上のポニョ』2008)などにさまざまなテーマにかかわっている。そのほかに反戦的な思想考え表す作品もある。例えば代表作は『紅の豚』『風の谷のナウシカ』『ハウルの動く城』『天空の城ラピュタ』『未来少年コナン』などがある。ただし、これらの作品の中で戦争への態度は曖昧で、現実の戦争に関する背景は明らかにされていない。明確に第二次世界大戦を描いた作品として、『風立ちぬ』は初めてである。この作品で宮崎駿は平和を憧れるとともに戦争の残酷さも真実で表している。
筆者は宮崎駿の反戦思想を論述したい理由が二つある。まず、時代の変化にも関わらず、平和は相変わらず全世界の主題になっている。しかし、地域の紛争は今の世界の課題である。2013年末からのウクライナの問題や2014年「イスラム国」によるイラクとシリアの国境での戦闘、魚釣島問題をめぐる中日間の対立などがあって、世界情勢が緊迫している。毎日、世界のどこかで、罪のない子どもたちが戦火で傷つけられたりしていることは、想像するだけで悲しむことである。このことから見ると、平和は最も重要なものである。その次の理由は、世界に影響を及ぼしている宮崎駿の作品は平和を訴える反戦的思想を示しているからである。したがって、反戦の主題を探そうとしたら、やはり宮崎駿の反戦作品からはじめなければならない。宮崎駿の作品における反戦テーマに対する評価がさまざまだが、筆者は彼の反戦思想は十分ではなく限界があると思う。本論文では、『風立ちぬ』を中心に反戦思想の本質を検証してみたい。
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