河伯と河童についての研究がいくつかある。2010年の「自然密码」 は河童の起源や伝説などを紹介し、河伯にもちょっと触れる。蔡燕妮の研究によって、日本の河童が中国の河伯から伝わり、いくつかの伝承がある。それに、神話物語における河童と河伯の性格から、中日の民族精神を分析した。
河童は日本の妖怪の河太郎とも言われる伝説上の動物である。河伯は中国神話に登場した黄河の神様と記載される。先行研究から見て、河童も河伯も河に住んでいることがわかった。これは「水崇拝」という自然観と何か関係があるか探りたい。
小論は四つの部分からなる。先は日本の河童と中国の河伯について紹介する。次は河童と河伯から見た中日の民族精神について述べる。それに、河童と河伯のテレビキャラクターを分析する。最後は河伯、河童から見た中日の自然観を論述する。
論文は詳しく河伯と河童を研究すると同時に、中日の妖怪を通して民俗文化の一部分も了解させる。伝説によって河伯と河童の性格を分析して、ちなみに両国の民族精神を説明する。そして、人間が川を崇拝するから生まれた河伯や河童のイメージは両国の自然観と何か関係がある。人間と自然との調和共存を重視する今日においては、これは現実的な研究意義を持つ。
2.日本の河童と中国の河伯について
2.1 河伯と河童の定義や起源
中国の河伯は、中国神話に登場する黄河の神様である。黄河の神である河伯は数多い川の神の中でも最も重要で、豊作や降雨を授ける力があるとされている。すでに殷の時代から河伯に対する祭祀が行われ、牛などが犠牲にささげられた。神話によると、河伯は人の姿をしており、白い亀、あるいは竜の姿で、もしくはその様子に変身し、人頭魚体とも言われる。古書に調べると、「為我謂河伯兮何不仁」、「河伯許兮薪不屬」という記述がある。河伯と河童の関係と言えば、日本では、河伯を河童の異名としたり、河伯を「かっぱ」と訓ずることになる。『西遊記』の登場人物の沙悟浄は、日本では河童とされるが、中国では河伯とされる。
河童は日本の妖怪•伝説上の動物で、また未確認動物である。標準の名前の「かっぱ」は、「川」に「わらは」の変化形「わっぱ」が複合した「かわわっぱ」から変化したものであった。日本にはこの動物は河太郎とも言われる。河童は鬼、天狗と並んで日本の妖怪の中で最も有名なものの一つとされる。例としては各地に残る河童神社、河童塚がある。
中国の河伯と日本の河童は二つの国が川に対する崇拝から生まれた文学形象であるが、「水崇拝文化」の一つの部分である。本源に追究するなら、表面であれ、内包であれ、二つのものはよく似ている所がたくさんある。だが、異なる審美理念と精神文化の為に、河伯や河童には各自の特色を持っている。これは伝説の方面からよく見える。
中国の伝説によって河伯の起源について説明する。河伯という漢字は最初中国の戦国時代に出現した。河伯は中国の神話では黄河の神様と言われる。袁珂先生によれば、河伯の元始は憑夷という人間の男であり、憑夷が黄河で溺死したとき、天帝から河伯に命じられたという。道教では、憑夷が河辺で仙薬を飲んで仙人となったのが河伯だという。さらに、河伯という漢字も『大禹治水』に出た。『纬书.尚书中侯』に調べて、「伯禹曰,臣观河伯,面长,人首负身,出曰,吾河精也。」が書かれている。上述した伝説は殆ど神様と関係がある。また、民衆の間で他の伝説もある。南朝に、志怪小说の『幽明录』(漢朝)には「水虫」という生物がいる。「裸形人身,身长大小不一,眼耳鼻舌唇皆具,头上戴一盆,受水三五尺,得水勇猛,失水则无勇力。」という記述は、日本の各地で記載した河童の形象と大体同じである。その後、日本の民俗の専門家の折口信夫がそれらの生物は確かに日本の河童であったと考証できた。
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