庄幼紅氏と赵曦氏はポスト資本主義社会の背景について、｢ポスト資本主義社会は社会経済と文化の面で高速発展の階段に入った。人間は感情の迷いに陥た。｣と、いろいろ叙述する。

 1。2。2共同体意識研究のほか

李亚琪氏と木部則雄氏はの本小説を精神分析的に論じた。太田鈴子氏の論文は嫉妬の感情、共同体を維持する暗黙のルールを論じた。精神の面についての研究は三人のほかにほとんど言及していないようである。

要するに『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の共同体意識についての研究は不十分で、体系的な分析もないと思われる。そういう訳で、共同体意識を影響する要因を明らかにするために、筆者は社会の面、家庭の面、個人の面から『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』における共同体意識についてを課題として詳しい研究してみたいと思う。

2。「共同体意識」の成因　

小説の中では、このグループの5人が集団はその利益の共同体、運命の共同体と思った。この五人の共同体ために、精を出して仲間と協力する。こんな意識が日本の伝統的観念と文化の心理に根を張っている。この五人は似た家庭があり、似た居住環境に住んだから、彼らはグループに帰属意識を表現する。五人の間には黙認のルールがいくつかある。彼らはできるだけ団体の二人とも単独で活動することを避け、調和の共同体関係を維持していたい。

筆者は社会背景、個人性格、家庭背景という三つの方面から、小説の中の共同体意識を影響する要因を究明したいと思う 。

2。1「共同体意識」の背景――ポストモダニズム

60年代の日本経済は徐々に離陸し、70、80年代に高度的な成長期に入っていた。明治政府が努力して国内の封建社会の束縛を脱却し、切実に西洋文化を学んでから、戦後まで西方の資本主義の大国の支持のもとに、日本が社会の経済と文化にある方面の発展は急速に発展する段階に入った。1960年の後半期、日本の国民経済の総生産値はイギリス、フランス、西ドイツを上回って、資本主義国家の中で米国に次ぎ、第二位に位置した。当時の日本は急速的に資本主義社会に突入し始めた。社会の生産力と社会の購買力は協調的に繁栄していた。高度的に成長してきた経済による消費主義が広く流行し、利益が何よりも重要だという意識のもとで、人間の心は離れて疎遠になった。都会の人間は常に困惑し、失われ、虚しいで、自己を否定していた。この時代背景で成長していた村上は、現代の孤独感にも感染していた。村上は一人息子の環境に成長し、一人の生活に慣れた。彼は自体が明らかに孤独な特徴を備えていると言ってもよいであろう。

ポストモダンの小説の主人公は、常に断固とした姿勢で伝統から離れ、深い孤独感を表した。主人公は自分の個人の空間に独立し、社会と人と疏離し、孤独で寂しい姿勢を示した。

2。2グループの五人の性格文献综述

この小説のグループのメンバーは名古屋市内の公立高校の同級生であり、高校１年の時のボランティア活動がきっかけとなり、その後，親密なグループが自発的に活動を継続した。他の４名は偶然にも姓に色が含まれ、男子は赤松（アカ）と青海（アオ）、女子は白根（シロ）と黒埜（クロ）であった。