世界主要国の乗用車販売台数に占める、「日本ブランド車」のシェアは以下の通りである(2005年、日本自動車工業会)。
• アメリカ合衆国:41.2%
• イギリス:17.8%
• ドイツ:11.6%
• フランス:8.7%
• イタリア:11.5%
• スウェーデン:15.7%
• 西ヨーロッパ全体:13.5%(2006年)
1.3 本稿の目的と方法
本論文は「トヨタ」を中心に、日本自動車産業の歴史、発展、現状を考察し、その成功の原因を分析する。そして、中国自動車産業の発展へどのような啓示があるかを探る。さらに、中日両国自動車産業の管理モード、政府の政策について分析し、中国自動車産業の発展を促進することを目指す。
2. 日本自動車産業の発源
2.1 日本の自動車産業の誕生
日本の自動車産業は約百年間の歴史を持つ。1898年に初めて、日本は海外から自動車が持ち込まれた。その後、日本でも、自動車製造の試みが始まった。1904年には岡山市で電機工場の山羽虎夫が、国産車第1号とされる山羽式蒸気自動車を完成させた。このクルマは乗合自動車(バス)としての使用を目的に造られたが、ソリッドタイヤがリムから外れるというトラブルに悩まされ続け、倉庫に放置されるままとなり、乗合自動車の計画は実現せずに終わった。1907年、純国産初のガソリン車で、初めて実用化おされたガソリン自動車が誕生した。その後、明治末期から大正時代にかけて、自動車の国産化が数多く試みられたが、当時の日本の工業技術は、未熟であったのせいで、国産化は成功しなかった。