2。2『風の谷のナウシカ』(映画)
千年前の最終戦争により、巨大産業文明は崩壊し、「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。生き残った人類は、腐海が放つ猛毒と、そこに住む巨大な虫たちに脅かされていたが、辺境にある「風の谷」は、風によって腐海の毒から守られ、平和な農耕生活を送っていた。族長の娘であるナウシカは、住民から深く敬愛されており、人が恐れる腐海の虫とも心を通わせる少女だった。
ある夜、大国トルメキアの輸送機が風の谷に墜落した。輸送機には、千年前に世界を焼き尽くしたという、巨大人型兵器の「巨神兵(きょしんへい)」が積まれていた。その翌日、輸送機を探しに来たトルメキア軍が谷を占領した。司令官である皇女クシャナは、巨神兵で腐海を焼き払おうと目論んでいた。クシャナは、本国へ運ぶつもりだった巨神兵の輸送を諦め、未完成だった巨神兵を風の谷で完成させることにした。
捕虜となったナウシカは、トルメキアに護送されることとなり、輸送機に乗せられて谷を発った。ところが、ナウシカ達の編隊は、突然現れた戦闘機の攻撃を受けて壊滅してしまった。護衛機がその戦闘機を撃墜するものの、ナウシカが乗る輸送機も被弾して落ちていった。ナウシカは、積まれていた小型飛行機に乗り、輸送機から脱出した。腐海に不時着したナウシカは、敵の戦闘機に乗っていた少年が虫に襲われていることに気づき、少年を助けに向った。
少年はトルメキアと敵対する国の者だった。風の谷にある巨神兵も、少年の国が発掘したのを、トルメキアが奪ったものだとわかった。少年の仲間たちは、風の谷にある巨神兵を奪い返そうとしていた。そのために、虫の大群を谷におびき寄せ、谷のトルメキア軍を全滅させるのだといった。それを知ったナウシカは、谷を守るため、虫達をおびき出すのに使われていた虫の幼生を助け、虫達の前進を阻止しようとした。ところが、怒りに我を忘れた虫の大群は、谷へ前進し続けてしまった。文献综述
一方、風の谷では、住民達がトルメキア軍に反旗を翻し、谷から離れた遺跡の中に立て篭もっていた。クシャナは住民達を包囲して総攻撃を掛けようとするが、そこに虫の大群が近づいているという知らせが入た。気がつくと、迫り来る巨大な虫達で地平線は埋めつくされていた。クシャナは、まだ完成していない巨神兵を目覚めさせ、巨神兵が放つ強力なビームによって虫の一部を焼き払った。しかし、未完成だった巨神兵は、すぐに体が崩れて死んでしまい、虫達の前進を止めることはできなかった。
その時、身を挺して谷を守ろうとするナウシカが、空から降り立って虫達の前に立ちはだかった。だが、ナウシカは虫に跳ね飛ばされてしまい、それを見た谷の住民達は悲鳴をあげた。すると、ほどなくして虫達の怒りが収まり、群れはナウシカを囲むようにして動きを止めた。倒れているナウシカは死んでいるかのように見え、谷の住民は嘆き悲しんだ。しかし、虫達の触手がナウシカを包み込むと、奇跡が起こってナウシカが蘇た。その姿は、まるで昔より伝わる救世主伝説を再現するかのようだった。クシャナ達は呆然とその光景を眺め、住民達はナウシカに走りよって、彼女を抱きしめて歓喜した。
全てが終った後、ナウシカはクシャナに歩み寄って行った。その後トルメキア軍は去っていき、風の谷には平和な生活が戻ってきた。