1 はじめに
日常生活の中で、特に異文化コミュニケーションの時には謝罪表現を適当に使用するのは必要である。謝罪という行為はコミュニケーションの過程に重要な役を果たしているのみならず、ポライトネスの表現でもある。中日両国には社会背景と文化背景
がいろいろの面で違っているので、謝罪表現には異同が多い。
1.1 先行研究
今まで、中日両国とも謝罪表現について多くの研究がされた。ここでその一部の研究について簡単に紹介する。
熊取谷哲夫は、日英の謝罪を比べて、日本語には、謝罪と感謝との両方に使用される謝罪表現が少なくないと述べている。それは、「日本語では、自分のプラスと相手のマイナスを自動的に結び付ける傾向が強いので、感謝は純粋に自分へのプラス面のみを見てなされることは英語より少ない、多くの場合お詫びへと連なる連続体に組み込まれる可能性をはらんでいる。」[4]からである。
易敏は「对不起」と「不好意思」という言葉を考察し、現代の中国社会では「对不起」の代わりに、「不好意思」という定型表現を使う人間が次第に増えつつあると述べている。
1.2研究の意義と目的
本稿の研究の意義と言えば、やはり生活の中で人々が人間関係をもっとうまく維持することである。私たち中国人にとっては、日本の会社で働く場合、謝罪という行為がよく理解できると役に立つと思う。本稿の研究を通して中日両国の人たちがお互いの文化と思想を理解できればいいのだろう。
本稿では先行研究の成果を踏まえて、性別差と謝罪文化の二つの面から中日の謝罪表現を対照し、異同をまとめる。そして、その原因を検討してみる。これが本論文の主な目的である。
1.3研究の方法
アンケート調査と文学作品から例文を抜き出すという研究方法がよく使われている。しかしながら、テレビドラマという研究方法は近年ますます盛んになっている。テレビドラマの中の用例がアンケート調査と文学作品より実生活にもっと近いので、説得力がもっと高いと思われる。本稿では、時間が少ないので、中国のテレビドラマ1本と日本のテレビドラマ1本を選び、その中の謝罪場面を比較した。
選ばれたテレビドラマは、中日両国においても人気があり、日常生活に関するものである。ドラマの情報は表1通りである。
表1 ドラマの情報
年度 言語 名前
2015 中国語 《虎妈猫爸》 45回
2016 日本語 『逃げるは恥じだが役に立つ』 11回
2 謝罪の定義と分類
2.1 謝罪の定義について
日本語の「謝罪する」は「謝る」・「詫びる」などとも言われる。『新明解辞典』においては「犯した罪やあやまちを謝ること」と解釈されている。『大辞林』では「罪やあやまちをわびること」と言う。『広辞苑』によると、「罪を詫びること」と解釈されている。中国語の「谢罪」は日本語と違う。中国語における「谢罪」の意は日本語より重い。例えば、テレビドラマでよく聞こえる「以死谢罪」など。中国語では「道歉」は日本語の「謝罪」の意とほぼ同じである。『現代漢語詞典』と『漢語大詞典』によれば、「道歉」は「表达歉意,特指向对方认错」と言う。 日语论文中日道歉表达的差异的研究(2):http://www.youerw.com/yingyu/lunwen_19975.html