しかし、現代日本で、未婚化、晩婚化が生じている現実は、研究者のみらず、一般の人にも周知の事実となりつつある。ここで未婚率の推移と、平均初婚年齢の推移図を掲げておく(図1、図2参照)。
出典:総務省,「国勢調査」(2010年) 出典:厚生労働省「人口動態統計」
この図を見ると、1975年頃までは、初婚年齢、未婚率ともに安定しているのに対し、75年頃から、初婚年齢、未婚率の上昇が男女ともに始まっていることが分かる。そして、この傾向は、20年間ほぼ一定の割合で上昇を続けている。文献综述
このことを考えると、港でよく言われる、適齢期男女の性比のアンバランス説、特に過剰な男性説は成立しない。ここ20年、男女ともになだらかに晩婚化、未婚化が進んでいるからである。また、結婚したがらない男女が増えた説も疑わしい。人口問題研究所の調査でも、未婚者の結婚希望は、ほぼ9割を維持している。特に30代女性の結婚希望率はここ10年で著しく上昇している。1992年の調査では、結婚願望がやや衰えたとの解釈もあるが、それは結婚難の結果であって、原因ではないと考えられる。要は、結婚できないと諦めた層が増え始めたと考えられる。少なくとも、晩婚化が始まった70年代には、結婚願望が下がっているというデータはない。
大橋照枝の『 未婚化の社会学』(日本放送出版協会、1993)は、女性ニューシングルズたちの未婚化現象を出発点に、結婚の制度的側面から、経済的なメリット・デメリットの側面、結婚の経済学的解明を試みたアメリカのノーベル賞受賞経済学者ゲリー・ベッカーの論理や、アメリカの女性経済学者らが展開する女性の視点からの結婚経済学、日本にも増え始めた戸籍を入れない結婚のパターン、いわゆる事実婚の実態、日本独特の制度としての戸籍制度がもたらしている結婚の国家的管理の側面など、社会学的、経済学的に未婚化と多様な結婚の動態にできるかぎり具体的に言及している。また、伊田広行の『「まだ結婚しないの?」に答える理論武装』(光文社新書、2008)には問答形式で結婚のプレッシャーに個人のチカラで対抗する方法を述べている。本書を見れば、結婚そのものを冷静に、客観的に考えてみることができる。
先行研究の中で、社会学的、経済学的の視点から現代日本人の結婚観に関した研究成果は多いが、現代日本女性の立場から結婚観はどのような変化したか、またその原因についての資料はほとんどない。この論文を通じて、日本女性の婚姻現状から見える女性の婚姻観の変化、そして結婚観を変化する原因を探りたい。女性が高等教育を受けて、男性に頼らず社会進出したいという態度を分析したいと思う。
3. 現代日本女性の結婚観に関する変化
3.1 伝統的な結婚観への否定
結婚という形態は時代とともにずっと変化している。江戸時代の結婚は、本人の意思に関わりなく両親あるいは親族が決める結婚である。明治時代に入ると、お見合いによる結婚が広がった。あの時代の女性にとって、子供ができて、家族という共同体を作るのは結婚の目的だと思われた。
しかし、女性地位の上昇と同時に、男尊女卑の論理観も弱まり、伝統的な考え方と違ってさらなる自由・独立を求める結婚観が生まれた。第二次世界大戦後、日本の結婚が見合い結婚中心から恋愛結婚中心へ変化している。旧来の結婚観「女の幸せは結婚」という通念と違って、個人を中心とする恋愛結婚観は現代の主流になっている。NHKの調査によれば、戦後、見合い結婚は年々減少し、恋愛結婚が増加している。来,自|优;尔`论^文/网www.youerw.com