中国は幅広いから、56もの民族がいる。各民族に各自の民族服装があり、ここでは中国人の範囲を縮小し、97％を占めた漢民族を代表する。

漢服の起源は、「史記」に載せた文献によって、黄帝が初めて服を作ったという説がある。周から明に至るまで、中国人は漢服で生活してきた。しかし、清初から漢服が急速に衰弱した。明朝との戦争で勝った清朝の統治者は少数民族の満州族で、漢民族の民族意識と民族自尊を弱めるため、始めたばかりの王朝を固めるため、1644年から統治者は「剃髪易服」という命令を出した。つまり、強制的に、漢民族に満州族の髪型をさせ、満州族の服装を着させる。清王朝の高圧政策で、漢服は急速に衰弱し、消滅されるまでになった。辛亥後、人々の思想の西洋化に伴い、西洋風の服に変わり、漢服の復興はしなかった。

現在、国民の生活レベルが高くなるに従い、一部の人々は自国の伝統文化の優れたところに関心を寄せるようになり、伝統文化の一部である漢服の復興への声が大きくなってきた。さらに、漢服の復興を声援するために、漢服を紹介し、漢服を着て活動する普及運動が始まっている。

1。1  先行研究

ここで、着物と漢服に関する先行研究を挙げておこう。

清水裕子,佐々木和也,張永春「着物と浴衣の着装実態と今後の発展―中国の民族服と比較して―」宇都宮大学教育学部紀要。第1部 59, 89-96,2009-03-10　この調査研究は、日本の着物と浴衣と中国のチャイナドレスとチャイナジャケットの着装実態を調査した。民族服が消え去っていくのではなく、人々が許容する範囲内で進化していき、われわれの生活とともにあり、役割をもつことが望まれるということを指摘した。

付麗娜,谷聯磊「漢服の由来とその様式」広東紡織職業技術学院　2012　この研究は、各王朝の服を分析し、その時代の服の様式と特徴を説明した。

赤澤節子,南澤奈緒美,角尾篤子「世代間交流」着物と若者　教育実践研究：信州大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 1, 183-186, 2000-07-31　この研究は、着物と伝統行事と若者を研究し、着物が忘れられていくことは，同時に着物と一緒に伝えられてきた言葉も消えて行くことであると指摘した。

いままで、着物とチャイナドレスの比較、あるいは着物と韓服の比較が多い、着物と漢服の比較は極めて少ない。

漢服も着物も同じく伝統的な服装であるが、それぞれの運命がちがう。本論では、両者の比較を通じて、自国の民族服装である漢服への理解を深め、さらに、日本人が伝統衣装に対する思いや認識がわれわれ中国人にどのような示唆が与えられるかを分析したい。

2．着物と漢服の歴史

2。1　着物论文网

着物は古くから日本人に着られる服の総称である。飛鳥、奈良時代には、着物に似ている右前の衣服が現れた。この時期には遣隋使や遣唐使など交流活動がさかんになった。このようなことによりさまざまな分野で中国のものが取り入れられた。衣服では、衿を立てたコート状のもので袍形式と言われるものが支配者階層の服装として男子は衣に袴、女子は衣に裳と言うものを着ていたようだ。また褶というものを裳や袴の上からつけていたようだ。奈良時代には今までの左前の打ち合わせから、現在の右前の打ち合わせに改められたようだ。