3. 雪に関する言語
3.1 日本語の中に雪に関する言葉
日本語の中で、雪に関する言葉は数え切れない。ただ雪の気象語はたくさんある。雪の強さを描写するのもある。また、日本の特色を表現する雪の季語もある。
3.1.1 雪の種類
雪は日本の冬の風物。スキーやスノボ、雪まつり以外にも雪の楽しみ方がある。それは、感性豊かな「雪の名前」にふれて、冬の風情を楽しむことである。
四季折々の美しさを「雪月花」というように、雪には独特の魅力があり、それを表す言葉もたくさん生まれた。言葉ひとつで雪の世界が広がる。
降る時期によって変わる雪の名前:
「初雪」(はつゆき)――初めて降る雪。
「早雪」(そうせつ)――例年より早く降る雪。
「初冠雪」(はつかんせつ) ――その冬初めて山々に積もる雪
「終雪」(しゅうせつ)――冬に別れを告げる最後の雪。「雪の別れ」「雪の果て」「雪の名残」ともいわれる。
「名残雪」(なごりゆき)――もうすぐ春という頃に名残を惜しむように降る雪。有名な歌もある。
「残雪」「去年の雪」(こぞのゆき)――春になっても残る雪。
「根雪」(ねゆき)――なかなか溶けずに残る雪。
「万年雪」(まんねんゆき)―― 一年中溶けない雪。
雪の状態を表した名前:
「白雪」「雪花」(せっか)「深雪」(みゆき)――雪の美しさを表す。
「細雪」(ささめゆき)――細やかに降る雪のこと。谷崎潤一郎の小説や、歌謡曲にもある。
「粉雪」「米雪」(こごめゆき)――粉のように細やかな雪のこと。スキーをするならこんなパウダー・スノーがよい。「粉雪」というヒット曲もあった。
「灰雪」――灰のようにふわふわ舞う雪。
「泡雪」「淡雪」「沫雪」(あわゆき)――うっすらと積もってすぐ溶けてしまう雪。
「玉雪」――比較的あたたかい時期に降る、玉の形をした雪。
「綿雪」「牡丹雪」「花びら雪」――雪のひとひらが大きな雪。
「雪片」(せっぺん)――ひとひらの雪のこと。
「餅雪」――玉雪や綿雪がややとけている状態。
「べた雪」「濡れ雪」――餅雪よりも水分の多い雪。
「水雪」――べた雪と雨の中間。
「風花」(かざばな)――風上の降雪地から、風にのって流されてきた雪。
積もった様子を表した名前と言葉:
「銀世界」「銀雪」「雪化粧」――雪が降り積もった様子
「新雪」(しんせつ)――積もったばかりの雪。
「瑞雪」――おめでたいときの雪。
「粗目雪」(ざらめゆき)――とけたり凍ったりを繰り返してできた粗い雪。
「どか雪」(せっぺん)―― 一度にたくさん降り積もること。
「雪明かり」(ゆきけむり)――積もった雪で薄明るくなる様子。
「雪持ち」(ゆきもち)――雪が枝や葉に積もっている様子。
「綿帽子」(わたぼうし)――樹木などに積もった雪の様子。
「松の雪」(まつのゆき)――常緑の松の枝葉に積もった雪。
「垂り雪」(しずりゆき)――枝や屋根などから落ちる雪。
「雪模様」(ゆきもよう)――雪が今にも降り出しそうな、空具合。
「雪消」(ゆきげゆきぎえ)――雪が消える事。雪が消える時。