災害から国民を守り、国を守ることは政治の究極の責任である,「国難」ともいうべき大規模災害を意識する。「防災の主流化」を通じ、可能な限りの備えを怠らない,災害発生時、官民が連携し資源の大量・集中投入を行う。被災を地域社会再構築への希望に変えていく防災こそ我が国再生のフロンティアである,「防災先進国日本」を世界に発信する。
2.2 防災政策の基本原則
一つの災害が他の災害を誘発することを認識する,最新の科学的知見を総動員する。あらゆる行政分野について、「防災」の観点からの総点検を行う。
ハード・ソフトの組合せにより災害に強い国土、地域を実現する。自らの命と生活を守ることができる「市民」の力と民間との「協働」に期待する。災害リスクにしたたかな「市場」を構築する,防災対策に関しては、「楽観」を避け、より厳しい事態を想定する。
災害対応に当たって、「平時」を物差しとすることは禁物である。限定的な情報の下、状況を把握・想定し、適時に判断する。災害対応は、「人の命を救う」ことを始めとして、すべて「時間との競争」であることを意識すべきである。论文网
被災者のニーズ変化や多様性に柔軟かつ機敏に対応する。被災地を以前の状態に戻すのみならず「よりよい復興」を実現する。被災地の復旧・復興は、地域特性や「地域力」への配慮が大切である。
2.3 防災政策の基本原則の立脚
(1)災害から生命を守り、被災者の暮らしを支え・再生する取組。災害応急対策の第一の目標は、人の命を救うことであり、発災当初の72時間は、人命救助及びこのための活動を最優先にして人的・物的資源を配分すべき。
災害から一時的に難を逃れる緊急時の避難場所と、中長期にわたって被災者が生活する場所としての避難所を明確に峻別して指定するとともに、住民に周知徹底すべき。災害拠点病院を始め被災地内外の医療機関の間で、より有効な災害時医療活動が展開できるよう、連携方策をあらかじめ構築すべき。
災害対策基本法に被災者支援の理念や基本的事項を明記し、災害救助法や被災者生活再建支援法等の運用も、これに基づいて行うべき。避難所における食料の確保、寒暖対策、心身両面の保健医療対策等避難生活において配慮すべき事項について法的な位置付けを図るべき。災害時要援護者名簿の作成などについて、災害対策法制に位置付けるとともに、個人情報保護法制との関係も整理すべき。
各ライフラインの管理者は、予防力向上に向けた設計基準の見直しや復旧の迅速化のためのマニュアルの整備等を早急に行うべき。災害廃棄物の広域的な処理体制、最終処分場の確保等について、地方公共団体間、地方公共団体と民間事業者間の連携・調整の仕組み、国の関与の仕組みを整備すべき
(2)災害発生時対応に向けた備えの強化
災害即応体制の充実、強化。職員の派遣・研修を含む地方公共団体との連携等による体制の充実、政府全体の防災総括部門の位置付けの明確化など、政府全体の防災総括部門の機能強化を図るとともに、政府の防災各部門の連携強化や、国・地方の人材育成・連携強化に資する防災訓練の充実強化等により、国・地方を通じた防災体制の充実を図るべき。総合防災情報システムについて、本来必要とされる情報の収集・提供が行われるよう、早急に抜本的改善を図るべき。複合災害の発生可能性を認識し、防災計画等を見直し、備えを充実する必要がある。